こころの休憩室(心理コラム)

楽しむ力vsスポ根

楽しむ力 vs スポ根

こんにちは、心理カウンセラーの竹内ことスナフキンです。

平昌オリンピックの女子カーリングで、日本チームと韓国チームの違いが話題になっています。日本チームは、笑顔でのコミュニケーションが多く、一方、韓国チームは険しい表情でのコミュニケーションが多く見られます。

さながら、楽しい vs スポ根 という対比を見ているようです。

どちらが正しい、どちらが間違い、ということはないのですが、心理学では、人は楽しんでいるときの方が、実力をより発揮できると言われます。

人は、心から楽しんでいるとき、適度にリラックスし集中した状態になります。

練習以上に能力を発揮する、いわゆる本番に強い選手が、「練習より試合の方が好き」「人に見られることが快感」と話しているのをよく聞きます。つまり、本番に強い選手は、試合を楽しんでいるからこそ、実力を発揮できるわけですよね。

一方「頑張らなきゃ!」というときは、一見、力が発揮されそうに思えますが、かえって緊張で体がこわ張り、実力を発揮しづらくなります。

昔は、巨人の星や、エースを狙え!など、日本でもスポ根が流行っていましたよね。厳しい指導者に怒られながら、根性で弱さに打ち克ち、勝利を勝ち取るという物語が多かったです。

今でも、スポーツの世界には、スポ根の指導者も多いと思います。ですが、能力を最大限に発揮させたいなら、スポ根は逆効果であることが、研究により分かってきました。

指導者が上から目線で叱るよりも、選手のモチベーションを引き出す方が、選手もより能力を発揮できるし、自信も持てるようになります。

これはスポーツのみならず、教育全般で同じことが言えます。

親が子供を育てるときも、上司が部下を育てるときも、全く同じです。本人の心の中にある「本当はどうなりたいのか」という動機を引き出し、そこを援助していくと、叱らなくても、自分から動くようになります。

最初は、思ったように動いてくれず、イライラするかもしれませんが、信頼して援助を続けていくと、ある時を境に爆発的に成長します。

そして、一度自信を持ち始めると、自分で考えて動き始め、指導者は、ほとんど手をかけなくても成長を続けていきます。人から押しつけられて受け身で動くより、自分で考えて動く方が、何十倍も楽しいものです。そして、楽しいと、人は成長します。

この方法は、セルフコーチングにも応用ができます。

例えば、やる気が上がらないときは、「そもそもどうしたかったのか」「本当はどうなれば良かったのか」という原点に立ち返るといいです。そして、「そのために何ができるか」「それを楽しくやる方法は?」そう考えてみると、手立てが見つかりやすいです。

人は、なぜそれをするのかという動機が曖昧だと動けません。だから、動機を見失うと、やる気が下がってしまいます。

そして、動機を見失ったのは、手段と目的が入れ替わってしまったから、ということもよくあります。例えば、人を幸せにしたいという目的で始めた仕事が、いつの間にかお金を稼ぐという手段が目的になっている場合などです。目的と手段を履き違えてしまうと、やる気が下がって、結果が出にくくなります。

なぜ、それをするのかは、常に確認していないと、忘れてしまいがちです。

もしも、やる気が下がっていたら、もう一度、動機を思い出してみるといいかもしれませんね。

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