セラピストとして、セッションを行うときの、私の心構えです。
ご参考になさっていただければ、幸いに存じます。
1.クライアントさんの自発性を尊重します
私は、短期集中にこだわってセッションを行っています。
その理由は、いくつもありますが、その大きな理由のひとつは、セッション回数が増えれば増えるほど、改善が困難になるためです。
なぜでしょうか。
それは、クライアントさんの自発性が損なわれるためです。
何でも、セラピストや人に相談してからでないと決められない、自分の決断に自信がもてない、というくせがついてしまったとしたらどうなるでしょうか。
極端な話をすれば、クライアントさんは、セラピストに依存しなければ生きていけない、ということになってしまいますよね。
もちろん、解らないことは、人に聞いたり、頼ったりすることは恥ずかしいことではないし、大切なことです。
むしろ、そうやって生きていくことで、人のありがたさを感じることができたり、あたたかい関わりが生まれていく。
人は一人では生きてはいけないとよくいいますが、まったくその通りだと思います。
しかし、依存心が強くなりすぎると、どうなるでしょうか。
ときに、人を振り回してしまったり、疲れさせてしまうことにはならないでしょうか。
それに、自分に自信が持てなくなりますよね。
自信を持つ上で大切なことは、「自分の人生の主人公は、自分なのだ」という自覚です。
人に何でも頼らないと生きていけないという生き方は、果たして自分の人生を生きていると言えるでしょうか。
私は、いつもクライアントさんに人生の醍醐味を味わっていただきたいと願っています。
それは、「自分の人生を自分で切り開いていく」というワクワクに満ちた楽しさです。
それに気付いていただくために、心理療法という方法を使います。
しかし、どう行動するのかはあくまで、クライアントさんご自身が、考え、決めていくのです。
セラピストは、そのサポート役に過ぎません。
でも、心配はいりません。
今の自分に簡単にできることから始めていくからです。
セッションが進むうちに、自然と自信がついていきます。
あなたにしかできない生き方がきっとあるはずです。
それを一緒に探していくことが、セラピストの役割だと、思っています。
2.クライアントさんの長所を大切にします
私が、心理療法のセッションで最も重視していること、それは、「リソース探し」です。
「リソース」とは、あなたの中に眠る、資源、資質、能力のこと。
例えば、繊細で傷つきやすいと思っている人のリソースは、「優しさ、思いやり」
用心深い方のリソースは、「慎重さ、思慮深さ」
おおざっぱな方のリソースは、「寛容さ、おおらかさ」
こんなふうに、その人の持っている特性を、どうしたら活かすことができるのかを、常に考えています。
問題だと思っていることこそ、実は「リソース」であることも多いのです。
天才心理療法家 ミルトン・エリクソンは、こう言っています。
「その人が持っていないことを与えることが、心理療法ではない。
またその人のゆがんでいる部分を矯正することでもない。
その人が持っているにも関わらず、持っていないと思っていることを、どうやってその人自身が使えるようにしていくか。そこを援助することが心理療法である」
3.セッションはクライアントとセラピストのコラボレーション
心理療法のセッションでは、潜在意識に働きかける方法をよく用います。
それは、そのほうが、より解決がスムーズだからです。
潜在意識とは、コンピューターでいえば、ハードディスクの部分、つまり膨大なデータベースです。
普段意識していない無意識の部分ですが、人生の達人たちは、皆それを使う方法をよく知っています。
それほど、実は重要なものなのです。
セッション中は、セラピーを通して催眠状態に入ることにより、潜在意識からの情報をより受け止めやすくします。
そしてセラピストもまた、一種の催眠状態に入ることにより、問題解決への援助がスムーズとなります。
1回、1回のコラボレーション(共同作業)を大切にする。
そう心がけています。
4.共に学び、共に成長する
私は、平凡な人間です。
まだまだ、人間としても、セラピストとしても未熟であると思います。
しかし、それが私の「リソース」なのです。
私は、セッションをするとき、
「この人はほんとうはどうなりたいのだろう。そして私はこの人との出会いを通じてなにを学ぼうとしているのだろう」
そう自分に質問しています。
それが、お互いの成長に繋がっていくと信じています。
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