こころの休憩室(心理コラム)

悩みはギフト

あなたは今、困っていることはありますか。

生きていれば、悩みは尽きません。うまくいっている時もうまくいっていない時も、それなりの悩みがあったりしますよね。

私が心理学を学んで目からウロコだったことは、「悩みはギフトである」という考え方でした。起きた出来事を「困ったこと」と考えれば悩みになり、「恩恵」と考えれば幸せをもたらすギフトになる、という考え方です。

これは実際にあった、ある母親の話です。

最近、自分の息子が元気がないことに気づき、よく観察してみると、どうやら息子が友達からいじめられているらしいということが分かりました。本人に聞いても話してくれないどころか、心を閉ざしてしまって取り付く島もない。母親は、もうどうしたらいいか分からなくなり、あるカウンセラーに相談をしました。するとカウンセラーからこう言われたんです。

「あなたの大切な子供が攻撃を受けている。ということは、あなたも大切な誰かを攻撃をしている、ということかもしれません」

これはベストセラーにもなった野口義則さんの「鏡の法則」の中で紹介されているエピソードです。

鏡の法則とは、「自分がしたことは自分に返ってくる」という法則のことです。この話では、息子のいじめをきっかけに、母親が自分の父親のことを心の中でずっと責め続けていたことに気づきます。そして、父親への恨みを手放しずっと疎遠だった父親と和解をしたことで息子のいじめも自然消滅していきます。

この話のすごいところは、いじめを直接排除しようとしたときよりも、もっと大きな幸せがもたらされたというところです。子供のいじめも無くなったし、父親とも和解ができたので、悩んでいた前よりもずっと幸せになっています。

母親が直接問題に介入して、いじめをやめさせたり、転校させるなどの対処もできたと思います。しかし、その対処だと子供はまた別な誰かにいじめられるかもしれませんし、彼女が父親と和解することもなかったでしょう。

問題から逃げることも悪くはありません。そうした方がいい場合ももちろんあります。しかし、問題と向き合うことが幸せをもたらすギフトに変わる場合もやっぱりあるんですね。

悩みがあるということは、あなたは今よりもっと幸せになれるということです。

お金で困っている人は、もっと豊かになれる。

人間関係で悩んでいる人は、もっと幸せな関係を築ける。

仕事で悩んでいる人は、もっと自分にあった働き方ができる。

才能が伸び悩んでいる人は、新たな才能を開花できる。

病気で悩んでいる人は、もっと元気になれます。

これは、気休めでもなんでもなく、本当のことです。あなたに悩みがもたらすギフトを受け取る意欲があれば、あなたは今よりもっと幸せに豊かになります。

ギフトを受け取るために、そろそろ本気で自分の悩みに向き合ってみませんか。

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