★考え方を変えることで、人生が変わる
自分にとって望ましくない行動や、
感情的な混乱には、
必ずその元となる考えが存在しています。
例えば、電車で騒ぐ子供を見て、
無性に腹が立つという人がいたとします。
その人が頭の中で、
”電車の中では大人しくするのが常識だろう!”
”親が注意すべきだ!親は一体何をしているんだ!?”
と考えていたとしたら、
腹が立つのは自然なことかもしれません。
これらの思考は知らず知らずのうちに
雑草のごとく湧いて出てくるものなので、
普段、あまり意識することもありません。
更に、自分にとって、常識だと思うこと、
当然だと思うことは、
そもそも信じきっていて疑う余地がないので、
深く考えたりもしません。
しかし、そもそもその考え方自体、
本当に正しいものなのでしょうか?
今回は、私も使っている
「バイロンケイティのワーク」という方法で、
それを見てみたいと思います。
★バイロンケイティのワーク
ベッドから起き上がれないぐらい
重度のうつ病に罹り、
自らの気付きによって
奇跡的に回復した人がいます。
バイロン・ケイティという
アメリカ人女性です。
彼女は、ある日
”自分はベッドに寝る資格さえない
どうしようもない人間だ”
と思い、床に寝ていました。
そして、ある朝、彼女は、
あることに気付きました。
★苦しみの正体
彼女が気付いたこと。
それは、自分を苦しめるのは「現実」ではなく
「考え」だという真実です。
現実に反することを信じれば苦しくなり、
信じなければ心が安らかになる、
ということに彼女は気付いたのです。
彼女は、その朝を境に変貌を遂げ、
彼女の噂を聞きつけた街中の人から
相談を受けるようになります。
そして、自分自身の体験を「ワーク」として
人に使ってみた結果、多くの人たちが、
苦しみから解放され、安らぎを得ていきました。
★ワークの手順
彼女の行う「ワーク」は驚くほどシンプルで、
簡単なものです。
その手順はたった5つしかありません。
1.それは本当ですか?
2.絶対に本当だと言い切れますか?
3.その考えを信じると、あなたはどうなりますか?
4.その考えがなければ、あなたはどうなりますか?
例えば先ほどの電車の例で言えば、
怒りが湧いてきたときに、
元にある考えを意識します。
”電車では大人しくすべきだ”
という考えがあることを見つけたら、
「それは本当?」
「絶対に?」
と自分に問いかけるのです。
「子供だったら、騒ぐことがあっても仕方ない」
「むしろ、大人しいほうが子供らしくない」
という答えが出てきて、そのほうが本当のこと
だと思えると、100あった怒りが
70とか60とか、だんだん小さくなります。
”親が注意すべきだ!”
という考えが浮かんだら、
「それは本当?」「絶対に?」
と問いかけます。
すると、
「親が注意しないなら、自分が注意してもいい」
「もしかすると、注意すべきというのは自分にとっての
常識で、あの子の親にとっては常識ではないかもしれない」
「何か事情があって、例えば子供が不治の病で、
残りの少ない人生を思い切り楽しませてあげたい
と思っているのかもしれない」
というように、いろいろな可能性が見えてきて、
自分の考えが絶対ではないことに気付きます。
そして、
「その考えを信じると自分はどうなる?」
と考えると、
「信じているときは、無性に腹が立つ」
「器量の狭い嫌な人間になる」
「そのことで1日中気分が悪くなる」
「その考えがなければ自分はどうなる?」
と考えると、
「その考えないと、温かい目で見守ることができる」
「自分が子供に優しく教えてあげることもできる」
ということがわかります。
すると、自分の反応は自分の考え方しだいで、
変えられるのだ、ということに気付きます。
★現実を受け入れると悩みは消える
ケイティは、
「現実と考えが戦えば、必ず現実が勝つ」
と言います。
既に起きてしまった現実(過去)は変えようがありません。
変えようとすれば、苦しみが増すだけです。
そして、考えはいくらでも変えられます。
現実と戦うより、考えを変えたほうが、
ずっと簡単に安らぎを得ることができます。
このワークは、
1度では効果が実感できないかもしれません。
感情的になったとき、何度何度も
「それは本当?」
「絶対に?」
「信じるとどうなる?」
「信じないとどうなる?」
とシャドーボクシングのように繰り返すことで、
主観的なものの見方から、客観的なものの見方へと
変わっていきます。
自分の考えを客観視できるようになると、
考えに支配されるのではなく、
考えを自分でコントロールできるようになります。
慣れてくると「本当に?」と問うだけで、
自分の考えが正しいわけではない、
と冷静に考えられるようになります。
すると、そこに安らぎがもたらされるのです。
バイロンケイティのワークについて
もっと詳しく知りたい方は、
下の書籍をごらんになってください。