こころの休憩室(心理コラム)

漁師とビジネスマン

魚釣りが好きな漁師がいた。

漁師は好きな時間に起き、
釣りをして、
昼寝をしたり、
子供達と遊んだり、
友達とお酒を飲んで歌ったりして
楽しく過ごしていた。

そんなある日、
優秀なビジネスマンが
その漁師の元に訪れた。

「素晴らしい魚だね。
これを捕まえるのに
どのくらいの時間がかかるんだい?」

「2~3時間ってとこかな」

「もっと長く漁に出たら、
もっとたくさん魚がとれるんじゃないか?」

「そんなに魚をとって一体どうするんだい?」

「だってそのほうが儲かるだろう?

あなたはもっとたくさん時間をかけて
魚をたくさんとった方がいい。

そして、得た収益で大きな船を買い、
たくさん人を雇うんだ。

さらに何隻かの船を買えば、
株式会社として法人化できるだろう」

「それからどうなるんだい?」

「水産工場を建て、
さらにビジネスを拡大するんだ。

規模が大きくなれば、
ロスやニューヨークにも
オフィスを構えることができるだろう。

そして、いよいよ株式を上場するんだ」

「それから?」

「時期が来たら自社株を売るのさ。

そうすれば、一生遊んで暮らせるほどの
莫大な利益を得ることができるだろう」

「なるほど、そうなるのに
どのくらいの時間がかかるんだい?」

「おそらく20年、
いや、頑張れば15年でそうなるだろう」

「で、その後、どうするんだい?」

「好きにしたらいいさ。

好きな時間に起きて、
自由気ままに過ごせばいい。

釣りをしてもいいし、
昼寝をしてもいい。

友人と酒を酌み交わしたり、
歌を歌って語り合うのもいいだろう。

どうだい、素晴らしいと思わないか?」

* * *

有名な寓話なので、
どこかで読んだことがある方も
いると思います。

漁師とビジネスマン、
どちらの方が豊かに生きているのか
考えさせられる話ですね。

漁師のような生き方を
「価値観型」

ビジネスマンのような生き方を
「ビジョン型」

と言います。

「価値観型」は、

家族と仲良く過ごす、
質の高い仕事をする、
趣味を楽しむなど、

現在の心が満たされることを
重視するタイプです。

一方、「ビジョン型」は、
未来の成功に向かって
努力を惜しまないタイプです。

たとえ今が苦しくとも、
より大きな成功に向かって
頑張ることに生きがいを感じます。

日本人の多くは前者の「価値観型」です。

しかし、現代社会では、
「価値観型」よりも、
「ビジョン型」の方が上だと
思われている傾向があります。

志を高く持て。

目標を持って努力すべきだ。

勝たなければ意味がない。

そう言う人たちもいますが、
実際には、特に志や目標がない
という大人がほとんどだと思います。

若いうちは、高い目標を目指して
全力で頑張るのも経験として
いいと思います。

でも、今を犠牲にして
目標を追いかけるのって
実は本末転倒なんです。

なぜなら、今、感じていることが
未来の現実に反映されるのが
この宇宙の法則だからです。

今、苦しい人、満たされない人は
残念ながら、未来も苦しみが続き、
心が満たされることはありません。

それはまるで、
砂漠で蜃気楼を追いかけるようなものです。

今、ここが楽しく充実していれば、
必ず未来も楽しく充実します。

特別、目標を作らなくても、
今を心から楽しんでいれば、
最善の道が開けていきます。

もっと気楽にいけば大丈夫。

今日も応援していますね。

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