こころの休憩室(心理コラム)

自分を好きになる秘訣(その6)

中央線に乗って国分寺にある自宅まで
なぜか女性二人と一緒に行くことになりました。

 

「もし、お金が残ってなかったら
セミナーは受けられませんからね」

 

もしもの時のために予防線を張っておかなくては。
内心では、どうにかセミナーを断れないだろうかと
思案していました。

 

「まあ、帰って確認しましょう!」

 

そんなやりとりをした後、
家に帰ってバイト代の残金を確認して
驚きました。

 

封筒に受講料ぴったりの額が
収まっていたんです。

 

それも、一円も多くもなく、
一円も少なくもなくぴったりに……。

 

まるで「これを使いなさい」と
言わんばかりにお金が残っていたのです。

 

さすがにそれを見たときには、

「ああ、もうこれは
このセミナーを受ける運命なんだ」

と諦めがつきました。

 

そのことを二人に告げると
嬉しそうに「おめでとう!」と
なぜか祝福されてしまいました。

 

おめでとうの意味は分かりませんが、
とりあえず、セミナーは受けることで
決まりました。

 

その後、近所のロイヤルホストで
今後のスケジュールについて話し合いました。

 

「セミナーはドレスコードがあって、
男性はスーツにネクタイなんだけど、
竹内くんは持ってる?」

 

「え?な、ないです……」

 

同級生に会うのも嫌だったので、
成人式も出なかったし、
スーツなんて作ったこともなければ
まともに着たこともありません。

 

どうしようかと困っていると、
女性の一人がこう提案してきました。

 

「じゃあ、私の同僚からスーツを借りるから
それを着て参加したらいいよ」

 

「え、いいんですか?」

 

「まあ、よくあることだし、大丈夫!
任しといてよ!」

 

そして、日程のことや、
スーツの受け渡しのこと、
当日の持ち物、参加するにあたっての
注意事項などを3人で確認しました。

 

そして、いよいよ
セミナー当日を迎えたのです。

 

(続く)

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