「お茶してください!」
デ、デジャブ?
振り返ると女性二人組が
私の方にすごい勢いで
駆け寄ってきました。
でも、前に会った二人組ではなく
初めて会う人たちです。
「なっ、いきなりなんですか??」
「10分!10分でいいから
お茶してください!」
「あの……もしかして、
〇〇の会社の人ですか?」
「そう!よく知ってますね!」
「実は先月、セミナーを
申し込んだけど断ったばかりなので」
「そうなんだ!誰の紹介で?」
「えーと、浜松営業所の
〇〇さんと、△△さんから……」
「そっか、うちの会社、
浜松にも営業所があるからね。
でも、本社は東京にあるんですよ」
「そうなんですか?」
「良かったら、本社に見学に来ませんか?
ご案内しますよ!」
「まあ、そうですね。見るだけなら……」
そんな流れで、なぜかセミナー会社の本社に
行くことになってしまいました。
そして、本社を見学した結果、
二人の熱意に押されて、なぜかまたセミナーに
申し込むことになってしまいました。
でも、すでにバイト代をかなり使ってしまったため、
セミナー代が残っているのかが分かりません。
なので、家に一旦帰ってから、
お金を支払えるかどうかを
確認してから決めたいと申し出ました。
すると二人は、
「じゃあ、私たち、
家まで着いて行っていいですか?」
「えっ!!今から!?」
「だって、確認するなら早いほうが
いいじゃないですか!
早くしないと席も埋まっちゃうかもしれないし!」
「はあ……まあ、いいですけど……」
後で密かにバックれようとしていたことが
バレていたのか分かりませんが、
なぜか家まで二人が着いてくることに
なってしまいました。
(続く)